恋愛と失恋の果てに。
「……何であんたが迎えに来てるの?」
さすがに私が迎えに来るとは、思っていなかったみたいで驚かれてしまう。
「そりゃあ、マネージャーですから」
ニコッと笑顔で言う。
「あんた……マネージャー辞める気とかないわけ?
あんなに怒ってきたくせに」
「からかったことは、今も腹が立ちますけど
仕事は、仕事ですから。それに
あれぐらいで、めげません」
まぁ、辞めてやるとは……思ったけど
するとハァッ……と溜め息を吐かれる。
「確かに……他の女と違って変わってるかもね。
馬鹿と言う意味で……。もしかして
兄貴に何か吹き込まれた?」
ギクッ!!
吹き込まれた訳じゃないけど……。
するとまた溜め息を吐かれる。
「……だろうと思った。俺の本性を知って
関わろうと思う奴って……兄貴絡みか
下心ある奴ばかりだったし」
そんなつもりじゃないけど……。
「いえ……私は、純粋にマネージャーの仕事を果たそうと」
「本当にそう思っているわけ?」
ジロッと私を睨み付けてくる。
(うっ……)
ハッキリとそうだと言えない自分が情けない。