恋愛と失恋の果てに。
フラッとよろけそうになる。
その時だった。
恵斗さんが私を受け止めてくれた。
「ったく、どう見ても大丈夫じゃねぇーだろ!?
もう少ししたら控え室たから我慢しろ」
そう言うと私を抱き寄せたまま歩いてくれる。
恵斗さん……?
心臓がドキドキと高鳴ってうるさい。
もうどっちの動悸が分からなくなってくる。
控え室は、和室になっており
私は、横になっていた。すると
おでこがひやりと冷たい物が当たった。
「ひゃあっ!?」
びっくりして慌てて起き上がると恵斗さんが
冷たい飲み物を持っていた。
「ほら、飲み物」
ぶっきらぼうながら飲み物を差し出してきた。
私のために……?
「あ、ありがとう……ございます」
驚きながらもその飲み物を受け取った。
すると自分も座る恵斗さん。
すでに生徒用の制服に着替えていた。
またご迷惑をかけてしまった……。
恵斗さんのためにも何かしてあげたいと思ったが
逆にしてもらうなんて……情けない限りだ。
「あの……ご迷惑をかけてすみませんでした」
恐る恐る謝罪をする。
きっと……呆れているか、怒っているだろうな。
迷惑がっていたし