恋愛と失恋の果てに。
恵斗さんは、私をチラッと見ると
「そう思うんだったら、撮影が終わるまで
ここに居るんだな」
溜め息を吐きながらそう言ってきた。
えっ……?
「えっ?いいのですか?
いや、でもそう言う訳には……」
ご迷惑をかけているのにさらに休ませて
もらうなんて申し訳ないし……。
するとおでこをデコピンされる。
うっ……痛い。
おでこを押さえていると恵斗さんは、
「そんな状態で周りで、
うろちょろされる方が迷惑だ!
いいから大人しくしていろ。アホが」
呆れたように言われる。
うぅっ……怒られてしまった。
でも、迷惑とかじゃなく心配して
言ってくれたようにも聞こえた。
もしかして、本当に心配してくれて……?
そう言おうとしたら
「ケイトさん。準備が整いましたので
よろしくお願いします」
スタッフの人が呼びにきた。
「あ、はーい。
じゃあ俺は、行くけど大人しく寝ていろよ?」
それだけ言うと行こうとする恵斗さん。
私は、慌ててお礼を言おうとする。
「あの……ありがとうございます」
するとまた、背中を向けているが手を
ひらひらと振ってくれた。