恋愛と失恋の果てに。
「あの……私……そんなこと言っていたんですか?」
どうしょう……当たっているから
どう誤魔化したらいいか分からなくなる。
動揺した態度をとっていたら
「言いたくないなら別に言わなくてもいいけど
上司って……もしかして今流行りの不倫?」
恵斗さんが唐突的な発言をしてくる。
不倫!?
「課長は、とっくの前に離婚しているので
不倫じゃありません!!」
私は、驚いて慌てて言い返した。
だが、すぐハッとする。
これだと私が好きな人は、課長だと
認めたことになってしまう。
気づくと何だか恥ずかしくなってくる。
「じゃあ、何の障害もないじゃん。
何で別れたの?好きなら別れなかったらいいじゃん」
呆れたように言ってくる。
その言葉にズキッと胸が突き刺される。
私だって……課長と一緒に居たかった。
付き合っていた訳じゃないけど……想いが
通じ合ってると思っていた。
「叶わない恋だって……あるんです」
「そんなのただの言い訳じゃん。
所詮その程度の恋愛だったんだろ?」
「違います。だって課長とは……」
私は、彼に課長のことを全て話した。
好きになったこと、別れないといけなくなったことを
何故、彼にそこまで必死に話したのか分からないけど
誤解をしてほしくなかった。