恋愛と失恋の果てに。
……そう?
確かに自分でも言うのも何だが真面目な方かも
知れないけど……。
「佐々木課長も凄く真面目な人よ?
真面目過ぎて鬼課長と呼ばれているぐらいだし」
まぁ、たがらって好きになるとは
自分でも思わなかったけど
「でもバツイチ、子持ちなんでしょ?
離婚するぐらいなら何か原因があるんじゃないの?
性格とか、浮気してたとか」
「課長は、浮気をする人じゃないわ!!」
私は、声を荒げて言う。
「…………そうなの?」
さゆりは、驚いて若干引いてしまっていた。
ハッと気づくと
恥ずかしくなってきた。
身体中が熱くなってくるのが分かる。
「へぇ~千奈美に珍しく本気で
その課長のことが好きなんだね?」
気を取り直してそう言ってくるさゆり。
「……驚かせてごめんなさい。
私もまだ意識したばかりで自分の気持ちに
ついていけないの。ただ意識をして課長を見たり
あんな笑顔を私にも向けてくれたらとか……思ったりするの」
だから自分でもどうしたらいいか分からない。
するとクスッと笑うさゆり。
「それだけ本気って……ことでしょ?
いいんじゃないの?離婚してるのなら
法律にも引っ掛からないんだし恋愛するのも
自由でしょう」
そう言ってくれた。