恋愛と失恋の果てに。
『ごめん。急に電話して今大丈夫?』
「あ、はい。大丈夫です!!」
慌てて返事をする。
相変わらず阿部さんの声は、優しい。
でも、何だが胸がズキズキと痛むのは……何故かしら?
『良かった。恵斗とは、どう?
アイツ……ワガママとか言って君を困らせたりしてない?』
ドキッ……
恵斗さんの話をふられ心臓がドキッとなった。
「大丈夫……です。むしろ私が
ご迷惑をかけてしまって……申し訳ない限りです」
詳しく事情を話した。ただし
恵斗さんにからかわれたのを除いて……。
だって……いいにくいもの。
『そっか……それは、災難だったね。
でも、恵斗が近くに居てくれたから良かった。
いや……良くないけど』
ブツブツと曖昧なことを言う阿部さん。
…………?
どうしたのだろうか?
すると咳払いをする阿部さん。
『実はさ……様子も気になったのは、
それだけじゃないんだよね……』
「えっ?どう言う意味ですか?」
意味が分からないため首を傾げた。
すると言いにくそうに……