恋愛と失恋の果てに。
「は、はい……」
恵斗さんが照れた表情をするので私も
釣られて照れそうになる。
その時だった。
ガチャッと誰かが入ってきた。
思わず肩がビクッと震える上がる。
誰だろうか!?
慌てて恵斗さんから離れようとするが何故か
抱き締めたまま離してくれなかった。
ちょっと、このままだと変な誤解をされちゃうじゃない!?
すると意外な人物の声が聞こえてきた。
「あら?ケイト君も居ると思ったんだけど……?」
その声は、天宮麻梨子だった。
な、何で!!?
彼女の声を聞こえたとき
また記憶がフラッシュバックしてきて
全身がガタガタと震え上がる。
ど、どうしょう……このままこちらに来たら
会ってしまう!?
すると抱き締めていたはずの恵斗さんは、
私から離れるとカーテン越しから出て行く。
シルエットに写り込む。
「俺に用ですか?」
「あら居たの?ごめんなさい。
一緒に居た女性が私の知り合いだったから
様子を見に来たのだけど……お邪魔だったかしら?」
ビクッ!!
違う……知り合いなんかじゃない。
この人は、課長の元奥さんなのだから……会いたくない。
今にも逃げたしたい気持ちになってくる。
そうすると恵斗さんは、
「……そうなんですか。でも、残念ですね。
彼女、まだ寝ているので挨拶なら後にしてくれませんか」
私を庇ってくれる。
恵斗さん……!?