恋愛と失恋の果てに。
「う、うん。ありがとう。
でも私地味だし相手にされないかも……」
さゆりと違いモテた経験がない。
それに梨々花ちゃんから
おばさん呼ばわりされたし……自信が持てない。
「何を言ってるのよ!?
真面目な人ほど家庭的な人や素朴な人に
惹かれるものなの。積極的にアピールするのよ!」
そう言ってくるさゆり。
「どうやって……?」
私は、そんな術を知らない。
すると溜め息を吐いたりさゆりは、
徐にカバンから何かを取り出した。
「仕方がないわねぇ~これ。
あんたにあげるから課長さんを誘って行きなさいよ」
そう言い私に差し出してくる。
「これは……?」
見てみると水族館の無料招待のチケットだった。
水族館か
課長と行けたら素敵だろうな……。
「でも、いいの?
彼氏と行く予定じゃなかったの?」
「あぁいいの。いいの。
どーせ行けるか分からないし。
それよりも千奈美の今後の方が大事だから」