恋愛と失恋の果てに。
「そうなの……?それなら仕方がないわね。
もし目が覚めたら、心配していたと伝えておいてちょうだい」
天宮麻梨子は、それだけ言うと去って行く。
ハァッ……と行ったのを確認すると
ため息を吐いた。
すると恵斗さんは、中に入ってきた。
「追い返したけど……良かったか?」
「えっ?あ、ありがとうございます」
お礼を言うのも変な感じだが今は、助かった。
鼓動が激しくなってるのを無理に静めようと深呼吸をする。
「もしかして……あの人って
その課長と深く関わってるの?」
ビクッ!!
課長の奥さんの話をしたが、それが誰かは
話していない。
「それは……」
「……図星か。あの人の声を聞いたとき
あんた、かなりビビっていたし……もしかしたらと思ったけど当たったみたいだな」
ため息混じりに言ってくる恵斗さん。
鋭い……。
「……はい。天宮さんは、課長の元奥さんなんです」
事実を話していいのか戸惑ったが、ここまで
バレているのに隠すのも変だ。
私は、正直に話す。
そうしたら少し驚いた表情をするが
「へぇ~なるほど。そりゃあ、勝てる方が
無理があるだろうね。
あっちの方が美人でいい女だし」
バッサリと言われてしまう。