恋愛と失恋の果てに。

「そうなの……?それなら仕方がないわね。
もし目が覚めたら、心配していたと伝えておいてちょうだい」
天宮麻梨子は、それだけ言うと去って行く。

ハァッ……と行ったのを確認すると
ため息を吐いた。
すると恵斗さんは、中に入ってきた。

「追い返したけど……良かったか?」

「えっ?あ、ありがとうございます」
お礼を言うのも変な感じだが今は、助かった。
鼓動が激しくなってるのを無理に静めようと深呼吸をする。

「もしかして……あの人って
その課長と深く関わってるの?」

ビクッ!!
課長の奥さんの話をしたが、それが誰かは
話していない。

「それは……」

「……図星か。あの人の声を聞いたとき
あんた、かなりビビっていたし……もしかしたらと思ったけど当たったみたいだな」
ため息混じりに言ってくる恵斗さん。

鋭い……。

「……はい。天宮さんは、課長の元奥さんなんです」
事実を話していいのか戸惑ったが、ここまで
バレているのに隠すのも変だ。
私は、正直に話す。

そうしたら少し驚いた表情をするが
「へぇ~なるほど。そりゃあ、勝てる方が
無理があるだろうね。
あっちの方が美人でいい女だし」
バッサリと言われてしまう。

< 210 / 235 >

この作品をシェア

pagetop