恋愛と失恋の果てに。
ガーン!!
いや、確かにそうなのだけど……改めて
言われると内心グサッと傷つく。しかも
恵斗さんに言われるし……。
悔しくて布団をギュッと握り締める。
「……そんなこと、分かってますよ。
敵わないことぐらい。だから課長の目には、
今でも元奥さんの天宮さんしか映っていません」
それが……悔しくて辛い。
自分がもっと美人で素敵な女性だったら
課長は、振り向いてくれただろうか?こんな
いつまでもウジウジしているみっともない私じゃなくて天宮さんのみたいな人だったら
「そんな分かり切った恋愛なんて、するの諦めたら?
あんたには、勿体ないよ……」
ムッとする。
勿体ない……ってどう言う意味?
あの天宮麻梨子を落とすほどの課長には、
私みたいな地味女だと勿体ないと言いたいわけ?
だとしたら……失礼な話だわ。
何よ……自分は、カッコいいからってそんな上から
目線で言わなくたって
恵斗さんの発言に腹を立ててると彼は、
「そんな分かり切った美人としか興味を示さない男と
付き合うだけ……あんたには、勿体ない」
そう言い直してきた。
えっ……?
それって……どう言う意味?
「どうして……ですか?」
もっと私に分かるように説明をしてほしい。
心臓がドキッと高鳴りだす。
「だから、勿体ないと言ってるんだよ!
あんな美人が好きなのは、世の男共が
誰もが思うこと。
それって……つまり在り来たりな男ってことじゃん。
そんな奴……どこがいいの?」
「好きになるなら、自分をちゃんと見てくれる奴がいいじゃん。
そんな外見じゃなくて……ありのままの自分を
愛してくれる奴がいい。だから
そんな……男やめておけよ」
真っ直ぐと私を見て言ってくる恵斗さん。