恋愛と失恋の果てに。
何故、阿部さんの顔が浮かんだか分からない。
でも……嫌っ!!
私は、勢いよく恵斗さんを押し返した。
そして恵斗さんの頬を叩いた。
ハァッハァッと息が切れる。
あ、モデルなのに……思いっきり頬を叩いちゃった。
綺麗な頬が赤くなっている。
「あ、あの……すみません……」
どうしょう……怒らしちゃう。
だが、私の顔を見るとニヤリと笑う恵斗さん。
えっ……?
「kissをして叩いた奴は、あんたが初めてだよ。
やっぱり……あんた変わってるね?
他の女と違う……」
えぇっ!!?
するとまた、誰かが入ってきた。
「千奈美さん!!?」
そう言い勢いよく入って来たのは、阿部さんだった。
阿部さん!!?
「……チッ。早く来過ぎだな。兄貴」
舌打ちをする恵斗さん。
阿部さんは、ベッドのカーテンを開けようとする。
「千奈美さん……居る?」