恋愛と失恋の果てに。

「な、何を言っているんだ!?」

するんと立ち上がった恵斗さんは、
阿部さんに
「お見合いなんて……断られたら何の意味もない。
それに婚約している訳じゃないなら俺と
彼女が付き合っても兄貴には、言う権利はない」
変わらず挑発的な態度をとってくる。

どうしちゃったの!?恵斗さん。
そんな言い方をしたら阿部さんが怒っちゃう。

すると阿部さんは、
「そんなの分かってる!!
それでも千奈美さんのことが好きなんだから
仕方がないだろ。好きな人にkissをされるところなんてみたくない」
怒った口調で言い返してくれた。

阿部さん……。
心臓がドキッと大きく高鳴る。

「ふーん。兄貴が、そこまで好きにさせる女って
初めてじゃん。怒るのも
だから余計気になるのかも」

「何が、言いたいんだ!?

「別に……ただ好きになっちゃっただけ。
千奈美のことを……」

恵斗さんは、初めて私の名前を呼んだ!?
そ、それに好きって……

「お前なぁ……いい加減にしろ。
千奈美さんには、二度と近付くな!!」

「それは、無理なんじゃない?
千奈美は、俺のマネージャーだし。なぁ?」
そう言い私に話をふる。

< 215 / 235 >

この作品をシェア

pagetop