恋愛と失恋の果てに。
えっ?
急に私に話をふられても困ってしまう。
2人共お互い睨み合って正直怖い。
返事に戸惑っていると阿部さんが
「それなら希美姉さんに頼んで
お前のマネージャーを代えてもらう。いいな?
行こう。千奈美さん」
そう言い私の手を引いて強引に連れて行かれる。
医務室から出ても黙ったまま私の手を離さない阿部さん。
それどころか力強く握っているため痛い。
「阿部さん……い、痛いです」
必死に痛いことを伝える。すると
ハッとしたのか手を離してくれた。そして
今にも泣きそうな複雑な表情をしていた。
「ご、ごめん。無理やり掴んだりして……」
ズキッ……
「いえ……こちらこそ。あの……すみませんでした」
付き合っている訳じゃないので謝るのも
変だと思ったが傷ついている阿部さんを見ていたら
謝らないといけないような気がした。
するとため息を吐きながら
そのまましゃがみこむ阿部さん。
「あの……大丈夫ですか?」
「俺……ダメなんだ」
えっ?
何がダメなのだろうか?
意味が分からないで居ると彼は、
「どうしても千奈美さんの事になると
自分の理性を抑えられなくなるんだ。変な嫉妬や
焦りで……つい強引になっちゃう。
カッコ悪いところ見せたくなくて気を付けようと思っているのに……」
複雑そうな表情を言ってきた。