恋愛と失恋の果てに。

「えっ……?」

アッサリと認める香織さんに驚いた。
どうして?

「好きになっても付き合えるとも限らないし
その人が全てじゃないわ。
そりゃあ、結婚していたら別だけど
そう言う訳じゃないなら……他の人に目を向けるのも
悪いことじゃないんじゃない?」

「恋愛は、自由よ!
気になる人が居るなら迷わずアタックして
そこから本当に好きな人を選べばいいと思うわ。
千奈美ちゃんも気になる人が居るのなら……まず
彼のことにも目を向けてみたら?」

「…………はい。」
香織さんの言葉を聞いて私は、
複雑な気持ちになっていく。

恋愛は……自由。

他の人にも目を向けたら
課長のことを諦め切れるのだろうか?

するとバタバタと別の看護師さんが
香織さんを呼びに来た。
「阿部さん。大変よ……今、あなたの自宅から
電話があって。あなたの弟さんが事故に遭ったって!!」

えぇっ!?

弟って……阿部さん?
それとも恵斗さんだろうか……!?

「それは、本当なの?どっちの弟?」

< 224 / 235 >

この作品をシェア

pagetop