恋愛と失恋の果てに。
綺麗な花を花瓶に生けてると
窓際に置いた。
「あ、今日は、いい天気ですよ」
そんなことを言いながら窓を開けようとした。
すると
「綺麗な……花だね」
えっ?まさか……
慌てて振り返ると阿部さんが目を覚ましていた。
「阿部さん……?」
私を見るなりニコッと笑ってくれた。
怪我が痛々しいけど……
「阿部さん!!」
私は、嬉しさのあまり寝ている彼に抱きついた。
嬉しくて涙が溢れてくる。
「どうしたの……?千奈美さん」
私を見る阿部さんは、いつもの優しい笑顔だった。
良かった……本当に。
それから検査などをしたが
骨折もしておりリハビリが必要だったけど
奇跡的に後遺症も残らずに済んだ。
私は、車椅子に乗っている阿部さんを連れて
病院の庭を散歩する。
「良かったですね。
思ったより早く退院できるみたいですよ」
車椅子を押しながら言った。