恋愛と失恋の果てに。
怪しい……。
趣味に多忙なお母さんからそんなことを言い出すなんて。
しかも暇だと分かっているのが……また。
「何で……また?」
『フフッ……たまには、いいでしょ?
じゃあ決まり。今日午後の3時に迎えに行くから
お洒落してくるのよ!』
そう言うと一方的に電話を切られてしまった。
「あ、ちょっとお母さん!?」
理由を聞けないままだ。
どうしょう……何か怪しい。
しかも何でそんなに早いのよ!?
お洒落までして来いって……
「……行くべきか。行かないべきか……?」
何か企んでそうで怖い。
お母さんは、たまに大胆なことをするからなぁ……。
悩んでいると佐々木課長の顔を浮かんでしまう。
慌てて首を横に振るう。
よし行こう。くよくよと悩んでても仕方がないし。
課長のことを忘れようと
お母さん達と会うことにした。
お洒落をして来いと言ったので
私は、気分を変えてそのままショッピングに出掛けた。
まだ時間があるし久しぶりに服を買うことにする。
いくつかの服屋に行くと
何枚か新しいのを購入した。
「えへへ……ちょっと買い過ぎちゃった」
たまには、いいよね。こう言うことも……
そう思い歩いていると小さな女の子が横を走ってきた。
「パパ~」
そう叫ぶと少し離れた場所でお父さんらしき人が
待っていた。
たどり着くとお父さんに抱っこされる。
後ろかお母さんも来て一緒に仲良さそうに
去って行った。