恋愛と失恋の果てに。
「あの……無理ですから……」
さすがにそれは……無理。
いくらイケメンでも好きな人じゃない限り
デートなんて出来ない。
万が一課長に見られたりなんかしたら
「もしかして警戒されてるのか?
大丈夫だって。
普通にデートらしいことをするだけだから
さぁ、行こう」
そう言い強引に手を引いてくる。
「あ、あの……離して下さい」
嫌がるにも手をしっかりと握られて
いるので振りほどけない。
結局、やや強引にデートをするはめに
なってしまった。
そして連れて来られたのは……嘘っ!!
まさかの水族館だった。
何で?よりにもよって……この場所なの!?
「俺昔からここが好きなんだよね。
デートスポットとしても最適だし、千奈美さんも
気に入ってくれると嬉しいな」
ニコッと笑顔で言ってくる。
そう言われても……
水族館は、私も好きよ。だけど
今日は、今日は……ダメ。
「どうしたの?顔色が悪いけど……もしかして
具合でも悪かった?」
「あ、いえ……あの……ちょっと」