恋愛と失恋の果てに。

課長は、阿部さんを見ると驚いた表情をする。
「君は、確か……昨日彼女と一緒に居た。
お見合い相手……」

「俺のこと……知っているんですか?」

そうだ。課長は、阿部さんの顔を見ているんだった。
どうしょう……。
顔を合わせづらいのもだが、どうしたらいいか分からず。
思わず阿部さんの背広の裾を掴んでしまう。

すると阿部さんは、
「この際。何故知っていようがどうでもいい。
彼女……千奈美さんは、俺のフィアンセです。
いくら上司でもあまり彼女を遅くまで
振り回さないで下さい」
そう言い私をかばってくれる。

えっ……? 
彼の言葉に驚いてしまう。

俺のフィアンセって……えぇっ!?

「彼女は……お見合いは、ダメになったと聞いているが?」
課長は、一瞬眉を寄せる。

「ちょっ……阿部さん!?」
そんなことを言ったらまるで私と阿部さんが
付き合っていることになってしまうじゃない。

課長に誤解をされてしまう。
「ち、違い……」
慌てて誤解を解こうとするが阿部さんは、

「お見合いは、確かにダメになってしまいましたが
それは、2人がたまたま遭遇してそのままデートして
いたからです。
俺は、彼女と結婚前提に付き合ってます」
真剣な表情で言う阿部さん。

私は、唖然とする。
まさか課長に自分の気持ちと交際宣言をするのだから
ご、誤解されちゃう。

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