恋愛と失恋の果てに。

「いや、本当に泊まっただけで……」

「尾野さんが、友人宅に泊まるぐらい飲むなんて
怪しいわよねぇ~本当の所は、どうなのよ?」
完全に疑われてる。

課長の事を抜かせば……阿部さんの自宅に
泊まったことを話せばいいか。
いや、それだと阿部さんと付き合っていることになる。
そんな関係じゃないし

そんな中途半端なことを言う訳には……

その時だった。
「あ、おはようございます。課長」

ビクッ!!
肩をビクッと震わせる。
振り返えると課長が出勤していた。

ど、どうしょう……。
昨日のこともあり、どう顔を合わせたらいいか
分からない。
心臓の鼓動が凄い勢いで高鳴る。

「今日は、少し遅めの出勤ですね?」

「あっ?あぁ1本遅らして電車に乗ったからな」
そう話しているのが聞こえてきた。

遅らしてきた……?

課長の方を見ていたら
バッチリと目が合ってしまう。
あ、ヤバい!!

しかし私が逸らす前に
課長から目を逸らされてしまう。
まるで、拒絶されたかのように……。

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