恋愛と失恋の果てに。

もう……あの笑顔が見えないの……?

「………分かりました」
悲しくて……涙が溢れそうになる。

私は、気づかれないように
そのままオフィスから出て行く。
資料室に向かうと私は、泣いた。

もう……私は、どうしたらいいか分からなかった。
涙を流していると

ガチャッと誰かが資料室から入ってきた。
ハッと見ると課長だった。

「課長……!?」

「こんなところに居たのか?
尾野。お前……泣いているのか!?」

気づかれた……泣いているところを
見られてしまった。
思わずフッとそっぽを向く。

「尾野……」
こちらに近付き手を伸ばそうとする課長。
だが一瞬戸惑いやめてしまう。

あぁ、戸惑っている。
私が困らせたばかりに……。

「すみません……。
私が酷いことを言ったばかりに……」

「違う。お前のせいじゃあ……いや。
俺のせいなのかもしれない」

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