恋愛と失恋の果てに。
自覚がないのかもしれない。
しれないけど……それってまだチャンスがあるってこと?
「私……まだ諦めなくてもいいですか?
ううん。諦めたくないです」
チャンスがあるのなら掴みたい。
もうチャンスを逃したくない。必死でも
みっともなくてもいいから一緒に居たい。
課長は、少し困った表情をしながらも
「お前の気持ちに……応えられるように努力しよう。
自分の気持ちに整理をさせたい。
もう少し……待ってくれないか?」
そう言ってきた。
簡単に応えられないのは、分かっている。
梨々花ちゃんのこともあるし
普通の人のようにはいかないわよね。
「はい、分かってます。
諦めずに待っているつもりです。でも、1つ。
お願いをしてもいいですか?」
待ってても不安になるだろうから
せめて誓いがほしい。我慢が出来るように……。
「一度だけでいいので
kissをして下さい。そうしたら
大人しく我慢して待ってますから」
これぐらいのワガママ……ねだってもいいですよね?
課長は、驚いた表情をして
照れたように目線を逸らしてきた。
「……まったく。仕方がない奴だな」
そして、こちらを向くとチュッとkissをしてくれた。
軽めのkissだったが
涙が出るぐらいに甘酸っぱかった。