恋愛と失恋の果てに。
『もう……もっと早く相談してくれたら
良かったのに。も~つれないわね』
「ごめんね。色々あり過ぎて……なかなか
話す機会がなかったの」
自分のことでいっぱいいっぱいだった。
申し訳ないと思う……心配してくれたのに。
『冗談よ!そんだけのことがあったら
無理もないわよね。
その阿部さんもなかなかだけど……課長さんは、
仕方がないわよ。相手が離婚経験がある子持ちなんだし』
『いくら離婚したって自分の子供は、子供だし。
養育費もあれば、必要になれば元奥さんや子供にだって会わないといけないだろうし。しかも
娘さんは、思春期真っ盛り。
普通の恋愛のようには、いかないわよ!』
それは……分かってる。
それでも課長が好きだから
乗り越えられると思っていた。
でも、課長から離れてしまった……。
「自分の中では、乗り越えられると思っていたの。甘い考えだったのかな?
どうしたら良かったんだろう……」
どうしたら、そばに居させてくれたの?
『もう一度ぶつかってみたらどう?
気持ちがすれ違っているだけで
それが課長さんの本心だとは、限らないでしょ?
だったらダメでもともと、もう一度
ちゃんと気持ちを伝えて自分でけじめを
つけてから諦めても遅くないんじゃないの』
さゆりは、そう言ってアドバイスをしてくれた。