恋愛と失恋の果てに。
ダメで、もともと……
「それでダメだったら私……立ち直れない」
『何マイナス思考になってんのよ。
やる前から諦めてどうするのよ!?
一度でも気持ちが通じ合ったんなら二度目だって
あるかもしれないでしょう。
千奈美の気持ちを素直にぶつけてきなさい』
叱り飛ばすさゆり。
前向きで友達思いのさゆりらしくて
私に勇気を与えてくれる。
もう一度……
もう一度でいいから
私に想いを伝えられるだけの勇気が欲しい。
課長に対してけじめをつけたい。
課長……。
翌日。会社に行くと
まだ噂を信じている人も居るらしく
私をジロジロと見てくる人も居た。
私は、気にして慌ててエレベーターに乗り込んだ。
部署に行くとすでに課長が来ていた。
ドキッと心臓が高鳴る。
どうしょう……やっぱり顔を合わせづらい。
ドアでもたもたしていたら課長が私に
気づき目が合ってしまった。
「あ、おはようございます」
「あぁ、おはよう。
丁度いい。尾野ちょっと来てくれ」
「は、はい。」
出勤早々に呼び出されてしまった。
気まずいのに……。