ゲームセンターにご用心
いらっ。

「お前、さっきからウゼーよ!」

私より可愛いっていうところも、ウザイ。

変にいい子ぶるのも、ウザイ。

その時、肩をグイッと後ろに引かれた。

「まぁまぁ。皆で決めましょ?それが、最善だと思うんです。

いつ、プリクラが始まるか、分からないですし」


柳沢も、ムカつく。

さっきから、でしゃばりやがって。

でも、仕方なく話し合った。

私と新米は、比較的可愛いから、端っこになった。

センターは、柳沢だ。ムカつくっ。

1番ブスだからセンターにしてやっただけなのに!

『さんっ、にぃっ、いちっ☆』


パシャ☆


こんな状況と似ても似つかない音。

あ、私、ブレてる。

新米も、顔切れちゃってるなぁ。

鶫は、目、つぶってる。

「あ、あたし、綺麗に写ってる。良かったです」

ほっとした様子で、柳沢が言った。

こいつ、まじ潰しておきたい。

いちいちイライラさせやがって!

なにか、ないだろうか?


あ。

いーこと思い付いちゃった♥

【続いて、ラクガキタイムとなります。

自由にラクガキしてください】

「私、やってもいい?」

私は手を挙げ、ラクガキを始める。

そして・・・柳沢の顔を、ペンで黒く塗りつぶした。

余裕そうだった柳沢の顔が、とたんに青くなるのが分かった。


「ちょっ・・・、やめてくださいよ!」

私は、柳沢の手が入ってくる前に終了ボタンを押した。

「あ・・・」

『ラクガキ、終了っ☆』
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