もしも君を愛すなら……。
観覧車に乗り、天高く、ゆっくりと昇っていく。


遠くに見える夕日を背景に、俺達は他愛のない話をしていた。


「ありがとう。今日、楽しかった」


そう言った時の佳穂は、今まで見た中でも特に綺麗な、笑顔を浮かべていた。


「……佳穂、学校でも笑えば良いのに。勿体ないなぁ。こんなに綺麗なのにさ」


つい口をついて出た言葉たったのだが、佳穂は何のことか分からない、といった表情で俺を見ていた。

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