弱虫男子
第一章 つよがり

ツヨガリ

あ…またかよ。


左ななめ前の子がチェックする

白い携帯が

やたら目に付いた。


俺が欲しかったヤツだ。



半分机の中につっこんで、

隠してるつもりか?



「丸見えだよ。」



なんかちょっと

意地悪な気分になって

つぶやいてしまう。



ポケットで震え続ける

自分の携帯に触れみた。


薄っぺらくて、真っ黒で、

可愛げがない。

見なくたってわかってる。




やっぱり白のが可愛かったな。
< 1 / 206 >

この作品をシェア

pagetop