弱虫男子
第三章 愛の形
「ちょっといい?」


いつもと同じ一日が

始まるはずだった俺に

声をかけてきたのは


前川…ゆう子だった。



「俺?どうした?」



なんだろ。



俺はこの子に待ち伏せされる

理由を探す。



上履きに履き替えながら

記憶を辿ってみたけれど


3秒で終了するほど薄っぺらい

思い出しかない。



しゃべったのだって

数えるほどじゃないかな。


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