弱虫男子
「そっか、ありがとな。


あー…ゆう子ちゃん、

悪いんだけどさ


このこと俺ら二人だけの

秘密にしといて?


あいつね、こういうの俺に

知られたくないと思うんだ。」



大人の表情を真似したみたいに

はにかむ俺に向かって


前川ゆう子は


「オッケーオッケー!」


とすっきりした表情を見せた。




やっぱり俺には言えなかったんだな。



俺は落ち込んでいることの内容も

聞き出してあげられないで、


また被害者面してた。




最初から加害者なのに

うっかり忘れそうになる。


< 114 / 206 >

この作品をシェア

pagetop