弱虫男子
どのページをめくっても

可愛い字で、可愛い色で、

あの子らしいノートだった。



なんかちょっと汚したくなって

ボールペンでマキグソを描いてやった。



彼女が見つける瞬間を想像してニヤけて、

そんな自分に気づいて慌てて取り繕う。



テスト前でもないのに

机に向かってるくせに



汚しちゃいけないって言いながら

落書きしたくせに



変わってしまう自分を認められずにいる。
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