弱虫男子
気がつくと

ナオミがあんまり笑わなくなっていた。



グランドのはしっこに置かれた

サッカーゴールが

もうほとんど見えないくらい

暗い。




数秒の沈黙の後、


「寒いな。」


と帰るきっかけのつもりで

切り出した俺に



ナオミはいきなり攻撃を仕掛けてきた。



「わざと彼女の話してるの?

諦めろってこと?」



いつものナオミと

全然違う雰囲気に俺は焦った。


怯えていたのかもしれない。
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