弱虫男子
「あっちい~」


もう冬の寒さは

たいぶ薄れてきている。



昼休みに20分も野球をすれば

汗は流れるほどだ。



ヒーターのかかった教室に

入るのがためらわれて


入り口付近の廊下で

身体の熱を冷ましていた。



「冷たくて気持ちい~」


ヤスが座り込む。


俺はとなりに腰を下ろして、


ヤスのところまで届くように

下敷きで風を起こしていた。



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