弱虫男子
最近何してもうまくいかない。


「あ」


停留所のすみに立っている

彼女を見つけた。



俺は降りようとしたけれど、

バスは動き出してしまった。



彼女はこのバスに

乗るつもりはないらしい。



一人ぼっちの彼女は

俺の知らない顔してた。


本当の自分を見せられないのは

俺ばかりだと


また、思っていた。


俺だって彼女の笑顔しか

知らないままだった。



そういえば、

そのことに気づいてからだったかな、



うまくいかなくなったのは。
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