弱虫男子
いつの間にか次の停留所に

着いていて

ヤスが乗り込んできた。


めちゃくちゃな人並みをかき分けて

近づいてくる。



ヤスは”おはよう”も言わず

眠そうな顔したまま


俺の前のポッカリ開いた穴を

埋めてくれた。



わけもわからず涙が出てきて、

俺はデカイ身体をよじって


ちょっと涙を隠した。




恥ずかしいなぁ。

もう17なのに。
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