弱虫男子
「今んとこ、負けなしの人生

のはずだったのになぁ」


いつかヤスに言われたセリフを

思い出して


思わず笑った。



俺の頬をかすめるように

桜の花びらが舞ってきて


地面に落ちた。



桜の木を見上げてみる。


俺よりも

ずっとずっと大きかった。




もう彼女には負けを認めていいや。


ピンクの桜を味方につけた彼女は

可愛いに決まってる。

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