弱虫男子
俺に気づいて駆け寄ってきた

彼女の笑顔は無敵だった。



「明日俺んちこれる?」


「うん!

お休みに会うの久しぶりだね。」



彼女はフワッと持ち上がった前髪を

気にしながら答えた。



「試合続いたからな。」


「だね。」


「あぁ…!!違う!」


何でとっさに言い訳するんだろう。



言葉を捜して黙り込んだ俺に

彼女は沈黙を恐れるように尋ねた。



「なんかしたいことある?

ヤスとか誘おっか?」



俺は首をふった。

今声を出したら涙も出る。
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