弱虫男子
絆創膏を貼るために

うつむいているから


前髪が邪魔して彼女の表情が

見えない。



俺は無意識にあいている左手で

のれんみたいな前髪をよける。




”しまった”


と思ったけれど、

彼女はそれを気にする様子もない。



それをいいことに

今度は彼女のちょっと伸びた

髪の毛を耳にかけた。


あごの付け根辺りが

まぶしい。
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