弱虫男子
「結んで。」


声のするほうを見上げると、

ヤスが立っていた。


さっきまで目の前に背中があったのに…



「早く!休み時間終わるじゃんか!」



ヤスはこないだ女子にもらった、

ボンボンのついたヘアゴムを突き出した。



「めんどくせ~。邪魔なら切れよ。」



そう言いながらも、

床にひざを着くように

ジェスチャーで伝える。


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