弱虫男子
まるで夢でも見てたんじゃないかと思うくらい

何もなかったように笑っている。



テーブルの下に隠した俺の足だけが

いつまでも震えたままで、


しでかしてしまった罪の重さを

俺に教えていた。





「人生負けなしだな。」


ヤスは俺にそう言い放って

みんなを連れて帰って行った。



すかさず彼女が話し出す。



彼女は二人になってからずっと、

かわいそうなくらいしゃべり続けている。




大丈夫だよ。

もう、怖いことなんて何にもしないから。

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