弱虫男子
今夜はもう何も考えたくない。


眠ってしまいたい。



そう思うのに

身を横たえることさえ怖い。



こんな夜があるってこと、

彼女に恋して初めて知った。



”目をつむってしまえば、

すべてが消える”



そんな妄想に駆られて

目を閉じることもできないまま


朝を迎えた。



でも、洗面所に向かうとき思ったんだ。



話せなくて よかった。

勇気がなくて よかった。



俺、まだがっかりされたくない。
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