長い一日が私の短い一生。
「茉知~お昼食べよ~ッ!!」
日記に書いてあった。この子が多分香里ちゃんなんだと思う。
毎日,自分の日記に,"香里ちゃんと" と書いてあった。
「うん,食べよ,香里ちゃん」
もうお昼。もうあと半日で今日の私はいなくなるのか-と思うと,かなしくならなくも無い。
「あ-!!茉知またちゃんって付けてる !!いっつも香里でいいっていってるじゃん !!」
昨日の私も言われたのかな,日記にはそんなこと書いてなかったな,と思う。
「そうだね,じゃあ香里」
「わぁあ,茉知がはじめて香里って呼んでくれたぁぁ」
いままで呼んだことなかったのかな?今日の日記には絶対書かないと。と思い,早速ノートにメモをする。
「大袈裟だよ 」
なんて言って笑いながらお昼を食べていた。
「ねぇ茉知?数学の課題終わった?」
不意に課題のことを聞かれる。数学の課題は,出されたその日の私がもうやってあった。
「うん,終わってるよ?」
「え-教えて教えて-」
私は1日事に記憶がなくなる。だから勿論授業内容もわからなくなる。けれど,ノートを見れば,内容がすぐわかるように,かかれてあるから,前の私は凄いなと改めて思う。
「え-とね,ここにこれが入るのわかる?」
「うん, !!」
お昼は香里と勉強をして終わった。
今考えると,受験の日の自分はノートを朝から呼んでその日に受験したのかな?すごいな,なんて思って思わず笑う。