大切なきみへ
山本の指の先には


“クラス内 紅白戦。
ドッヂボール

8がつ20にち”


今日は8月10日だから、あと10日

夏休みに入る、一日前だ




「これでさ、勝負しない?」



その目は“負けたらどうなるか分かるよね”と言っている




「分かった」



“きゃぁー”

なんて大歓声が教室に響き渡る




「チームわけ、今決めない?」





「おー」




「俺はもちろん、蓮のとこだよ」


…バカなくせに空気が読める

ありがとな、光希




「じゃ、俺は陽希のとこ」



山本と仲のいい、内田







「もちろん、チームわけもちゃんと運動神経考えて均等するから」






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