大切なきみへ
「お先に失礼します」
「じゃーな、奏!」
「ばいばーい」
…逃げるように部室を出た
「あ、三浦くんおそーい!」
めずらしく早いじゃん
…ほんとめずらしい。
「めずらしいね、早いの
ごめん」
「でしょ!しょうがないから許す」
「へー、あれ?今まで待たせてたの誰だっけ?」
「ごめんね?」
「はいはい、」
…あ、こいつ傘持ってないんだ
「ほら行くよ」
久下の手首を掴んで引き寄せて同じ傘に入った
「わっ!」