大切なきみへ



「怪我してない?」

と言いながら三浦くんが手を引っ張って起こしてくれた


「大丈夫!あ、でもちょっと絆創膏貼ってくる〜」




「ん、分かった」



「階段上がって右の部屋だから入っと…」


皆は最後まで言い終わる前にスタスタと階段を上がって行ってしまった




少しむくれていると


クスクス笑い声が聞こえた



「浅倉くん?」



いつも落ち着いててなんか紳士みたいな麻倉くんに…私笑われたんだ…




すると落ち込んでいる私なんか無視して
麻倉くんは私の髪の毛にそっと触れて




「覚えてない?







…はなちゃん」








はな、ちゃん…?


深い記憶を探る

もしかして





「れいくん…?」





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