大切なきみへ
「やっと思い出した?」
伶くんがにこっと笑って、私の頭に触れようとした瞬間
誰かの手が伶くんの手をつかんだ
「幼なじみだかなんだか知らないけど
気安くさわんのは止めてくれないー?」
「奏」「三浦くん?」
な、なにこのピリピリした空気…
「奏の許可はいらないと思うけど」
「別に俺が触れさせないから
久下具合悪いんだろ、ほらみんな待ってる」
三浦くんが私の手を引いて階段を上がっていく
「三浦くんっ」
どうしてだろうピリピリしてるのに、私の鼓動は早まっていくばかりだった
…勢いよく階段上がってるからだ