大切なきみへ






「やっと思い出した?」




伶くんがにこっと笑って、私の頭に触れようとした瞬間



誰かの手が伶くんの手をつかんだ











「幼なじみだかなんだか知らないけど
気安くさわんのは止めてくれないー?」





「奏」「三浦くん?」






な、なにこのピリピリした空気…




「奏の許可はいらないと思うけど」






「別に俺が触れさせないから
久下具合悪いんだろ、ほらみんな待ってる」





三浦くんが私の手を引いて階段を上がっていく







「三浦くんっ」


















どうしてだろうピリピリしてるのに、私の鼓動は早まっていくばかりだった


…勢いよく階段上がってるからだ

< 137 / 274 >

この作品をシェア

pagetop