大切なきみへ


そんな状態で始まった試合


「蓮!」


「おう!」


ドリブルをしながら、相手をよけていきスリーポイントシュートを決めた



「よっしゃ」


「ナイス蓮!」



練習の成果なのか、体は動くし軽い

でもそう思っていたのもつかの間



「奏!」


奏が横をすりぬけてポイントを決めた


「4番マークして下さい!

シュート決められます」


…奏は危険だ

1年で4番をとるところはさすが奏だ


「分かった、蓮!」






すぐ反応した先輩たちは奏をマークしようとするが…足速すぎだろ


また相手のチームにポイントがはいった


「蓮、最初からつっぱしれ」


「はい」



ゴール下からスタートしたボール



スムーズに相手をかわすことができ、ゴールまであと少しの所で



「甘いんじゃない?」


と奏にボールをとられる


くそっ


「絶対渡さねー」


奏からボールを取り戻す



「光希!」




「おう!」




光希にパスを出し、光希がシュートを決めたとき、前半終了を告げるホイッスルが鳴った







1ゲーム目、20 - 22 の2点差で勝った


「きっつー」




光希が心底きつそうになげく


…すげーしんどい。

1ゲームでこんなしんどいのは初めてだ



休憩がほんとに待ち遠しいかったな

俺のいた高校はこんな強かったんだななんて思った



タオルで汗を拭きながら、相手のチームを見ると


「っ!」


花華と目があって、すぐそらす





でも結局気になってもう1回彼女を見た





花華は奏と笑いあっていた



…っ


見ないように、また目をそらした



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