大切なきみへ

ーガチャッ


「何やってんだよ!」







息を切らした三浦くんが私の前に立っていた


「三浦くん…!」




よかった、 もう大丈夫




と思った瞬間私の意識は遠のいた










「大丈夫?」





「綾瀬ちゃん!」


綺世ちゃんの手にはいくつも絆創膏が貼られていた



「林先輩は家に帰ったよ、2週間自宅謹慎だって。あとマネージャーは辞めるって。」



そうなんだ

今またさっきのことを思いだして背筋が凍った




「ごめんっね…私っ久下さんが入ってきたとき、またいじめられるかもって…怖くて
矛先が久下さんにっ…むいて安心してて

最初はっ…またいじめられ…るかもっていう恐怖でいじめてた…でもっ蓮に好かれてる久下さんに嫉妬するようになったの

ごめんなさい」




綺世ちゃん…


泣きじゃくりながら話してくれた



綺世ちゃんとほっぺを両手で軽く叩いて


「うん、いいよ


これからよろしくね!」



って笑った











「大丈夫?」


三浦くんはまた息をきらしながら保健室に来てくれた



「もう大丈夫!練習終わったの?」




三浦くんは悲しそうに、私の髪の毛を触って


「まぁね。


ごめん行くの遅くなった」



「悪かった」

そして

「え?」


抱きしめられた



「こんなこと言うの不謹慎だけど、無事で良かった」



三浦くんの肩は少し震えていた



それを見ていると涙腺が緩んだ


「また泣いてんじゃん」



「今日は泣く予定じゃなかったのに〜」




「はいはい、ごめんな」





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