大切なきみへ





「何ぼーっとしてんの

練習終わったけど」



え?あ!嘘!



「な、なんでだろ、気づかなかった…」




「いつも以上にひどいけどなんかあった?」




ひどい……




「あ、やっぱり言わなくていーよ」


と言った瞬間、三浦くんの顔は悲しげだった

のは、気のせい?


「…なに百面相してんだよ」


コツンと頭を叩かれた


「うるさい〜!」




「はいはい、着替えてきて」


「はーい」



「あ、あとパーカー似合うじゃん」


なんて笑顔で言うのはずるい!


「ありがと!」


せいいっぱい余裕なふりをした









「ばいばい!三浦くん」




「うん、浴衣たのしみにしてる」



浴衣?


あ!そっか、今日は花火の日…!



手をひらひらさせて帰っていく三浦くん



ーガチャッ



「ただいま!お母さん!私浴衣!」



「はぁ?母さん今日今いないけど」



え、えぇ〜、そんな、




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