大切なきみへ
「何ぼーっとしてんの
練習終わったけど」
え?あ!嘘!
「な、なんでだろ、気づかなかった…」
「いつも以上にひどいけどなんかあった?」
ひどい……
「あ、やっぱり言わなくていーよ」
と言った瞬間、三浦くんの顔は悲しげだった
のは、気のせい?
「…なに百面相してんだよ」
コツンと頭を叩かれた
「うるさい〜!」
「はいはい、着替えてきて」
「はーい」
「あ、あとパーカー似合うじゃん」
なんて笑顔で言うのはずるい!
「ありがと!」
せいいっぱい余裕なふりをした
*
「ばいばい!三浦くん」
「うん、浴衣たのしみにしてる」
浴衣?
あ!そっか、今日は花火の日…!
手をひらひらさせて帰っていく三浦くん
ーガチャッ
「ただいま!お母さん!私浴衣!」
「はぁ?母さん今日今いないけど」
え、えぇ〜、そんな、