大切なきみへ


(花華side)





「随分勝手な話だね」


言葉は冷たいのに、どこか優しい言い方だった


だめ、また甘えそうになる



ずっとどこかで思ってた、

なんて三浦くんをいいように使ってるんだろうって。


ずっと好きでいてくれてるのを知ってたくせに





「そういうの、迷惑なの!」





迷惑なんかじゃないよ、






私は三浦くんに離れてほしくなくてずっと一緒にいたい







でも蓮だって、私をずっと好きでいてくれて




さすがに分かるよ、蓮が振ったのは私のため


「やっと一緒に学校通えるね」



そんな私の言葉に気を使って、自分の気持ちより私を優先してくれる人だから




なんてかっこよくて優しい人達なんだろう、







私はずっと2人の王子様の間でぐらぐら揺れている



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