大切なきみへ
「…」
「…奏まだ来ない?」
「……うん」
「そっか」
さっきのことをまた思いだして泣きそうになる
私こんな泣き虫なんかじゃなかったはずなのに
高校入ってからすっごい泣いてる気がする
「あ、ごめん今母さんに風呂入れって言われたから切るな」
「そうなの、どうぞゆっくりしてきて」
笑いながら言うと
「はいはい」と少し笑っている声が聞こえた
もう今何を考えてるのか自分で分からなくなってきた
なんで泣いてたのかもよく分かんない