大切なきみへ



「なんてね







全部腹立つんだよ!


本気だして全力でした試合であっさり負けたことにも、勝手に蓮に嫉妬してる俺にも、まだお前を好きな俺にも」






声を荒げて言う三浦くんに、言葉が出なかった






「…分かってるんだけど、分かってたつもりなんだけど、久下は蓮の彼女って」


目には涙がうかんでいた



試合で負けたときに笑顔だった三浦くん


この人はそういう人だ、嘘が上手な人




私の前ではいっつも冷静で完璧でいてくれた




「…でももう俺は大丈夫」



「え?」



「今日蓮と会うつもりだったのに、俺を優先して俺のとこに来たわけだろ」


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